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躁状態の時の頭の中はどのようになっているのか

2019/12/04
双極性障害について 0


「躁状態の人って脳内麻薬?がガンガン出ている状態なのですか?」という率直にな質問をされたので、以下記述します。

  双極性障害の患者さんが、躁状態の時、やはりちよっと異常性を感じるのが通例かと思いますが、この状態は心の中のことでそのような状態になっているわけではなく、脳内物質によりいわゆる躁状態というものになります。

  御承知かと存じますが、従来、双極性障害は心が原因であるかのように考えられる傾向がありましたが、この20年間の研究で、双極性障害が脳の病気であることを示す多くの医学的なエビデンスが明らかになり、脳の病気(障害)という認識になっています。

  一つの例を挙げると、脳の中でも感情のコントロールに関わる部分(前部帯状回と呼ばれています)が小さくなっていることが判明しています。ただしこれは、リチウムを服用している人においては正常化します。

  双極性障害の方の脳を調べる解剖研究で、脳の病変が観察されなかったのは、おそらく脳組織を観察する方法が未熟だったためと考えられます。更なる研究により、双極性障害がどのような脳の病気であるか、はっきりしていくことと思います。

  さて、躁状態の時、脳内はどのような状態なのかということですが、ドーパミンというものはご存知ですよね。ドーパミンは快楽に関わるとされ(ドーパミンの働きを強める薬には覚醒剤も含まれます。)、このドーパミンが異常に放出されてしまっている状態が躁状態を引き起こすことが判明しています。

  一方、うつ病はドーパミンが減ってしまい、まったく快楽を感じることができない状態になってしまっていると考えられます。しかし、双極性障害の原因はまだ完全には解明されていないため、さまざまな仮説があります。

  以下はちょっと専門的な内容であり、確立したエビデンスもないので、リファレンスまでに留めておいてください(お読みにならなくても良いと思います)

1 モノアミン仮説(ドーパミンなど、脳全体を幅広く調節している一群の神経伝達物質が変化しているという仮説)
2 細胞内情報伝達系仮説(モノアミンに対する細胞の反応が変化しているという仮説)
3 カルシウムシグナリング仮説(細胞内情報伝達系の中で重要な働きをしている、カルシウムが変化しているという仮説)などがあります。
4 ミトコンドリア機能障害仮説もその一つで、細胞内ミトコンドリアの働きの障害によって、カルシウムシグナリングを含む細胞の働きが変化しているという仮説です。この説に基づいて、動物モデルが作成され、新薬の開発研究も進められています。

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内山田 宏
Author: 内山田 宏
認定心理士

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