本業は普通のサラリーマンです。精神疾患患者さんのバックアップを社会的使命として、当該ブログ運営者をしています。

双極性障害はこんな病気

2019/10/01
メンタルヘルススレ 0
双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態という、2種類の「病相」を繰り返す病気です。これらの病相が治った後は、精神的な症状は全くなくなります。これらの病相が1回で終わることは少なく、予防療法をせずに放っておくと、多くの場合再発し、年と共に再発までの間隔が短くなる傾向があるため、ふつう予防療法を行います。再発は治療により予防できます。
はっきりした躁状態がある場合は双極I型障害と呼ばれ、軽躁状態とうつ状態を繰り返す場合は、双極II型障害と呼ばれます。軽躁状態は、むしろ調子の良い状態と感じるので、双極II型障害は、本人や周囲の人にとっては、「うつ病」と感じられます。しかし、双極II型障害ではうつ状態が再発しやすいことから、双極性障害に含めているのです。
躁状態とうつ状態
躁状態になると、とにかく気分が高ぶり、機嫌よく誰かれとなく話しかけて回ったりします。夜眠らないでも平気で、自分は誰よりも偉いと感じているので、深夜・早朝でも気にせず電話をかけたりします。良いアイデアがどんどん浮かんでくる上、いつもより活動的になるので、どんどん行動が広がり、すばらしいアイデアが浮かんだとか、新しい会社を作るとか、一見調子が良いように見えますが、一方では、気が散りやすく、軽率になり、自制心を失っているので、こうした行動の結果、多額の借金を抱えたり、人間関係を乱したり信用を失ったりして、場合によっては社会的地位を失ってしまうこともあります。
一方、うつ状態では、一日中、気分がゆううつで、いつも見ていたテレビや新聞にも興味がもてず、何をしても楽しめません。何も食べる気にならず、何kgも体重が減ってしまいます。夜は寝付かれない上、暗いうち目がさめてしまい、過去のことを悔やんだり、自分を責めたりすることばかり考えます。逆に、食欲が増えたり(過食)、眠りすぎてしまう(過眠)という症状が見られることもあります。仕事をしようとしても、考えが進まず、集中力や決断力がなくなり、ひどく疲れやすいなどで、とても仕事はできません。何事もおっくうになり、機敏に行動できません。場合によっては、じっとしていることができず、立ったり座ったりと落ち着かなくなる場合もあります。しまいには、もう死ぬしかない、と自ら命を絶とうとする人もいます。
躁でもうつでも、重症の場合には、妄想(現実ではないことを信じてしまう)や幻聴(実際には存在しない声が聴こえる)が見られる場合もあります。躁状態では、誇大妄想(「超能力がある」)、うつ状態では貧困妄想(「破産した」)、心気妄想(「不治の病にかかった」)、罪業妄想(「大変な罪を犯した」)などが特徴的です。
双極性障害では、このように両極端な二つの症状が現れることが特徴で、躁状態からうつ状態を経過して治る、あるいはうつ状態から躁状態を経過して治る、という風に、一連の病相として現れる場合も多いようです。経過中、躁とうつが入り混じった状態、すなわち「混合状態」が現れることもあります。
 双極性障害の原因
躁やうつの原因は、脳内の情報伝達の乱れによると考えられています。ストレスはきっかけにはなりますが、直接の原因ではありません。治療薬の作用などから、躁状態、うつ状態では、ドーパミンなどの脳機能を全般的に調整している神経伝達物質の機能が変化していると考えられています。
一方、これらの神経伝達物質が変化してうつや躁になる理由は、まだはっきりとはわかっていません。体質的に、これらの伝達物質に対する細胞内の情報伝達系(イノシトールリン脂質系など)が不安定であるため、あるいは気分をコントロールする神経の働きが弱っているためかも知れません。これらの体質は、多数の遺伝子と環境の相互作用によって決まると考えられており、双極性障害は一つの遺伝子の異常で起こる遺伝病ではありません。

 
関連記事
内山田 宏
Author: 内山田 宏
認定心理士

コメント(0)

There are no comments yet.