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言葉が人をつくる

2019/12/11
メンタルヘルススレ 0



  将棋の羽生先生はマイナスの言葉は使わないようにお嬢さんにしつけられたという話があります。お嬢さんも、お父様について、「家ではマイナスの言葉は 使わない父です」と。さらに「言葉は人を作るのだから、口に出す言葉は よく考えて大切に。」と、常々言われているようです。

  羽生さんは「言ってる事から、感情が生まれてしまう事もあるので、その負のサイクルに入らないように、と思っています」と。

  私も同感です。ちなみに私の解釈と合わせてもう少し補足させていただきたいと思います。

  私は、言葉が人をつくるという現象には、言葉の連鎖と反復から化学反応して生まれる精神のスパイラル現象が生じると考えています。それは、具体的にいうと

1「あなたって、ハンサムね。」

2「すごく爽やかな感じね。」

3「とてもモテるのではないですか?」

  1 のみの評価だと、「そうか。そう思ってくれる人もいるのか。嬉しいな。」など

  1+2 「ハンサムで爽やかって、芸能人の〇〇みたいな感じかな?」「爽やかでハンサムなら、ぼくは多数の人に好感をもたれるので、自信もとう。」

  1+2+3 「ハンサムで爽やかでモテそう…、好印象を多数の女性にもたれる上に異性として魅力なんだな。」「モテそうでハンサム、爽やかということは、多くの男性の中で優れた存在なのかもしれない。」

  このように、自分について言われた褒め言葉が重なると、一つのフレーズと比較してだんだんと、自己評価も螺旋状に高まっていきますよね。

  どこまで増長していいのかは別問題にして、人から言われた言葉でさえ、積み重なって自己評価が高まり、承認欲求も満たされていきます。そして、そのような言葉を言われると、その言葉が紡ぎ出すイメージを壊さないように、自らを更に磨き上げていこうと思います。

  しかしこれがネガティブな発言の場合には推して知るべしですよね。さらに、人から言われた言葉にさえこれだけの力があるのです。
  これが、ネガティブな発言であって、他人の言葉ではなくて自分の言葉であったときは、威力は凄まじいのです。したがって、自らの言葉にネガティブな要素があるときは相当気をつけてつかわないといけません。

うつ病の人の多くはネガティブな発言が多いです。自己卑下、自己否定、低すぎる自己評価など。そう思ってしまうことは、仕方のないことなのです。何故ならうつ病の人は端的にいえば、自己を喪失しそうな程に、「自身喪失」した精神状態なのだからです。普通の状態から自身喪失しているという点についての気付きは、意外と盲点なような気がします。

  そういう人間に向かってネガティブな発言をすることは、ナイフで心を何度も深く突き刺し続けるようなものです。

  さらに、自らに対するネガティブな発言が重なると、同様にスパイラル的に自己評価を無限に引き下げてしまいます。

  私は、言葉が人をつくるということばにはこのような効果があると考えています。人間は言葉のもつイメージを想像力豊かに考えるものです。そのイメージが自分の言動や、目指す方向性に大きく影響することは自然なことです。

  一方で、人間の精神はもろい部分も多いので、普通の健康な人でも、弱音を吐くことは仕方のないことです。そのときは、よく考えて適切な言葉で弱音の吐いてください。よく思慮せずに不適切な言葉の連鎖で、必要以上に自己評価を下げることはしてはならないことです。

  口に出す言葉と、頭の中にふっとよぎっただけの言葉は、全然違います。何故なら検証されていないからです。言葉が適切かどうかは検証可能なのです。ましてや、自己評価の言葉なら誰よりも経験則から検証は難しいことはありません。

  このようなことで、私は「言葉が人をつくる」という言葉の真の意味だと捉えています。

  くれぐれも口に出す言葉には思慮と検証をよく重ねてください。自身喪失しているからこそ、その作業が余計に多く必要なのです。

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内山田 宏
Author: 内山田 宏
認定心理士

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