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不安を感じる原因について

2019/12/31
不安感について 0




  具体的な心配事や気がかりなことがある時、目上の人や初対面の人に会う時、試験の前などにこのような症状を感じることは正常な反応で、病気ではありません。

  問題は、具体的な事象がないのに「不安感で非常に落ち着かない」「不安感いっぱいで生きていくのが辛い」などの症状が起こる場合です。この場合は「病的な不安」です。

  「病的な不安」は、「正常な不安」と違って、理由がないのに生じる、あってもそれと不釣り合いに強い、原因がなくなってもいつまでも続く、などの特徴があります。「正常な不安」が危険に備え、問題解決へ向かって行動を起こす原動力になり、人間にとって必要不可欠な側面をもっているのに対し、「病的な不安」にはその素地に精神的・身体的な疾患があります。

  私自身は、4~5歳の頃からいわゆる実存的不安に頻繁に侵襲されていました。親はそういう時は、紫いろの顔色をしていたと後になって教えてくれました。そして、二年後に強迫性障害になりました。

  前記のような「病的な不安」ではないかと感じたのなら、精神科で早めに診断してもらいましょうそもそもの不安は、精神医学的には「対象のない恐れの感情」と定義されています。似たような言葉に「恐怖」がありますが、こちらは「対象がある場合」に用います(区別しない場合もあります)。

  ほとんどの場合、不安は身体症状を伴っていて、動悸、胸がしめつけられる、息が苦しい、冷汗が出る、体が震える、ふらふらする、手足のしびれ、脱力感、頻尿、のどが渇く、眠れない、頭痛がするなど、実に多様な症状が現れます。

  これらは自律神経、特に交感神経の過剰な働きによるものです。感情は交感神経、副交感神経などの自律神経の働きは、脳の中で密接に関連しているのです。

  また、一概に不安といっても、いろいろな種類があります。急性、突発性でとても強い不安を感じ、それに支配されてしまう状態ををパニック発作といいます。さらにパニック障害では、典型的にみられる不安症状で、突然理由もなく強い不安に襲われ、動悸、頻脈、胸の苦しさ、息苦しさ、めまいなど、上述した身体症状も同時に襲ってきて、今にも死んでしまうのではないかと思うほどです。

  パニック障害ほど強くないですが、不安が慢性的に続くタイプの不安症状もあり、全般性不安といい、その細分類の中に強迫性障害、PTSDといった精神疾患があり、それぞれ特徴的な不安症状が現れます。

  不安症状を呈する精神疾患は、不安障害のほかにもたくさんあります。むしろ不安症状のない精神疾患は極めて限定的といってもよいでしょう。

  中でもうつ病や統合失調症では、不安が主症状である場合もあります。うつ病ではしばしば焦燥(いらいら、あせり)、苦悶(苦しい)、罪責感、絶望感などが、うつ症状と入り混じった形で現れます。統合失調症では、妄想気分、被害妄想、幻聴など、特有の精神病症状に伴う不気味で深刻な不安感が体験されます。

  そのほか、心気症(身体表現性障害)では体や病気に対する過剰な不安がみられます。ストレスに対する反応である「適応障害」では、不安症状はうつ症状とともに、最もありふれた症状です。また子どもに特有の不安障害として、親や愛着のある人から引き離されることへの強い不安を示す「分離不安障害」があります。

  しかし、一番の問題である不安が対象物のない不安感です。これは私も過去に散々研究してきましたが、率直に言って人間が実存的不安を感じることについては、その対処法はおろか原因すらも分かっていないのが嘘偽りのないところです。

  敢えて申し上げれば、何かの作業をすることで頭や身体を動かして、不安感を横に置いておくくらいしかできません。私も強く実存的不安に陥っているときには、それしか対処法を持ち合わせていません。今流行りのマインドフルネスや禅を組むといったことは静的か動的かの違いに過ぎません。人間が本能的に暗闇を怖がることと同じなのかもしれませんね。

(注)  上に挙げたもののほかに、不安障害の中には一般身体疾患や物質などが原因で起きる疾患もあります。

  原因となる一般身体疾患は、甲状腺機能亢進症や低血糖などの内分泌疾患、心不全、肺塞栓症、不整脈、慢性閉塞性肺疾患(COPD) などの心血管系・呼吸器系疾患、前庭機能不全、脳炎などの神経系疾患などで、原因となる物質はカフェインや覚せい剤その他違法薬物の中毒、アルコールや医療で投薬された鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬などを急にやめた時に生じる離脱症状などです。
これらは、見かけは不安という精神症状でも、原因は身体疾患や物質によるものですから、きちんと検査・診断してもらうことが大切です。場合によっては、直接命にかかわってくるからです。医師を受診した時は、薬物を摂取していたことを必ず報告するようにしてください。



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内山田 宏
Author: 内山田 宏
認定心理士

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