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祈りとうつ病(その2)

2018/05/21
宗教について 0

前回の続きです。
宗教と自殺について、WHOが興味深いデータを公表しています。
世界の国や地域の自殺率を宗教圏別にまとめたデータで、これによると無宗教と見なされる国や地域の自殺率が圧倒的に高く、次いで仏教、キリスト教、ヒンズー教で、最も低いのがイスラム教の順になっています。

自殺というデリケートな死因のため、そのすべてが報告されているわけではないことが考えられますが、教義で明確に自殺を禁じている宗教圏では自殺率が低い。
一方、無宗教の次に自殺率が高い仏教は、自殺を明確には禁止しておらず、「極楽浄土」「輪廻(りんね)転生」といった思想から、自殺を誘発する懸念がもたれています。
やはり日本に関しても、無宗教もしくは仏教の方も多く、自殺を含めた生死に関する文化・社会通念にも、自殺を誘発しやすいベースがあると考えられます。私はこの生死に関する社会通念が、自殺に対する心理的なに最も影響するのではないかと思っています。
例えば、時代物のコンテンツで、武士の切腹のシーンがしばしば見られますよね。あれも自殺の一種ですが、美化されて描かれることが多いので、自死に対して罪悪を感じるよりも、
むしろ自死をもって責任を取ることへの称賛や憧れのような気持ちを抱くことがあります。そうした価値観が根付いており、自殺に対する心理的なハードルを低めているのではないでしょうか。
とはいえ、日本では自殺に対して、「そうなってしまったことは気の毒だけど、最終的には本人が決めたことだから仕方がないよね」という考えを持つ人が少なくありません。
しかし、この意見はうつ病に起因する自殺者のほとんどについては当てはまりません。本人が冷静な精神状態で自殺を決意したわけではありません。完全に自分を見失い、視野狭窄に陥り自殺という行為をしてしまいます。ですから、自殺に至ってしまう前にサポートすることが不可欠なのです。
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内山田 宏
Author: 内山田 宏
認定心理士

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